青くて痛くて脆い

青くて痛くて脆い　　　　　　　　　　　　　　　　狩山俊輔監督　　　　　　　　　　　　

吉沢亮　杉咲花　岡山天音　松本穂香　清水尋也　森七菜　茅島みずき　光石研　柄本佑

「君の膵臓をたべたい」で社会現象を巻き起こした作家・住野よるが”キミスイ”を、そしてその感動を塗り替えたいと願い書いた、自身が最高傑作と誇る衝撃作がついに完全映画化。「大切な仲間」と「居場所」を奪われた青年が、嘘と悪意にまみれなが復讐していく、青春の青さと脆さを描いた青春サスペンス！

　人付き合いが苦手な大学生・楓（吉沢 亮）と、空気の読めない発言で周囲から浮きまくっている秋好（杉咲 花）。ひとりぼっち同士の２人は「世界を変える」という大それた目標を掲げる秘密結社サークル【モアイ】を作る。しかし、秋好は”この世界”からいなくなってしまったーー。秋好の存在亡き後、モアイはチャラいだけの意識高い系就活サークルに成り下がっていた。取り残された楓の怒り、憎しみ、すべてのゆがんだ感情が暴走していく･･････。アイツらを、モアイをぶっ潰す。どんな手を使っても。楓は、秋好が叶えたかった夢を取り戻すため、モアイ奪還計画を企てる。青春最後の革命が、いま始まるーー。

クッキー解説　　☆☆☆☆☆☆★★★★　(辛口に言うと青春の脆さが始終感じられます)

吉沢亮演じる（田端楓）は大学早々、杉咲花演じる（秋好寿乃）と出会う。秋吉は周囲の雰囲気を読めないが、気前の明るさで、見ている人を魅了するエネルギーを与えてくれる。二人はモアイという秘密結社サークルを結成する。奥手な楓に対し行動的な秋好は、それはそれで良い関係に見えるーー。大学４年の楓は居酒屋で岡山天音演じる（前川董介）と二人で飲み始めるが、大きく膨らんだ「ただの就活サークルのくせに」と敵対心を燃やす。そこで楓は、自分は元モアイの創始者の一人で「秋好は✕✕✕」と打ち明ける。楓と董介はモアイの裏情報を掴み、ネットで炎上させる作戦を建てる。楓は秋好と共に活動した、大学１、２年の時のモアイを振り返る。活動として、ゴミ拾い、幼稚園での人形劇、児童施設でのボランティアを行う。柄本佑演じる（脇坂）も加わりモアイは大きくなりつつある。児童施設では森七菜演じる（西山瑞希）にで会うがイベント中にアクシデントに見舞われる。楓は瑞希に「秋好のこと好きなんでしょ」と諭されるが、楓の青くて痛くて脆い精神状態では秋好に気持ちは伝えられなかった。楓はどんどんモアイを追い込んでいく。それはモアイに対する自分と向き合うことになる。作家・住野よるはとても深いメッセージを送っている。しかし、共感して感動できる人ばかりでないことも分かる。役者の皆さんはとても青くて痛くて脆い演技を貫き、迫真の演技により、重要な物語をエンドロールまで導く。大学生もの。青春もの。切ない思いになりたい方。不思議な秘密結社の行く末が気になる方。原作小説をサクッと理解したい方。おすすめです。シリアスな話、若気の至りが嫌な方、小難しい話が嫌いな方。恋愛で傷ついている方。高良健吾にチョイ似の吉沢亮さんが気持ち悪いと思いたくない方は難しいかもしれません。