海でのはなし。
海でのはなし。 大宮エリー監督
宮崎あおい 西島秀俊 天光眞弓 保積ぺぺ 菊地凛子 川村早織梨 勝野洋 毬谷友子
誰かを大事に思うこと。ちっぽけだけど、いちばん大切なこと。
まっすぐに育ってきた女の子、楓(かえで)。楓より少しだけ大人の博士(ひろし)。楓にとって博士は、恋より深い何かで繋がっているようなとても大事なひとだった。真夜中の浜辺。胸の中の小さな痛み。くだらないおしゃべり。やがておとづれる、やさしい朝。誰かを大事に思うこと。それさえあれば、自分のことも、自分以外の誰かのことも、きっともっと愛せるはず・・・。
クッキー解説 ☆☆☆☆☆☆★★★★ (深いです。ジーンと波打たれます。)
スピッツの曲をBGMに映画というよりPVというコンセプトなのかな。曲の順番は『正夢』『楓』『スカーレット』『水色の街』『青い車』『遥か』『ホタル』『ロビンソン』『スパイダー』となります。劇中歌です。スピッツの曲の言葉で映画の世界感がぐるりぐるりと深くなっています。ストーリーと言いますと、宮崎あおい演じる(楓)は勝野洋演じる(父親)の浮気をトイレの会話で気づきました。そのことを西島秀俊演じる(博士・ひろし)に打ち明けます。楓は博士に対して恋心というよりへその緒で繋がっているような距離感を抱いています。その後、毬谷友子演じる(母親)、バーにいる菊地凛子演じる(カオリ)に父親の話を打ち明けます。登場する人たちはとても複雑な思いをまっすぐに打ち明けます。楓は気持ちを切り替え明るく家に帰ってきますが、母親から父親の浮気、母親と父親は籍が入っていないことを告げられます。つまり父親は本当の妻と浮気相手と同棲する楓の母親、三者と仲良くしていたのです。楓は自分が愛人の子供だと分かり深く戸惑います。家を出た楓は博士を呼び出し、車で夜の海に行くことになります。帰りの車の中で楓は博士に好きなことを伝え「抱きしめて欲しい」と願いますが、博士は自分の気持ちに嘘は付けないと抱きしめません。博士はカオリにバーに呼び出されます。しかし自分は間違っていないと結論に至ります。博士は誕生日に実家に帰ります。博士の母はパチンコに通い、家はゴミだらけ、父親はお金ばかり掛けているといいます。博士の中で何かが爆発します。
散らかった研究室で寝ているところに楓が現れ、一冊の本を抱え海に行きます。そこに博士が追い着き「ただ抱きしめたいと思った」のです。すごく言葉がストーリーを複雑にしているので、音楽とお話しは分けて考えるのも良いかもしれません。それから、監督が女性なので話の内容も女性目線かもしれません。そして小難しい話が嫌いな方、スッキリしない話が嫌いな方、愛人浮気などのドロドロした雰囲気が嫌いな方にはオススメできません。いろいろな哲学を学ぶことや考えることが好きな方、相乗効果が生み出した深みが気になる方などにおすすめです。
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